「Fistula Fortnight」始まる:初日は46人の女性が治療を受ける
2005年2月22日
カツィナ、ナイジェリア
ナイジェリアにおけるフィスチュラ(産科瘻孔)撲滅2週間キャンペーン―「Fistula Fortnight」―が今月21日から2週間の予定で始まり、初日は46人の女性が治療を受け た。英国人と米国人からなる4人のボランティア医師チームは、ナイジェリアのフィ スチュラ専門医と研修医計24名と協力して、ナイジェリア北部の州でフィスチュラに 苦しむ数百人の女性患者の治療に当たる。キャンペーン期間中は、医師団が北部にあ る4箇所の病院に分かれて治療とナイジェリア人医師らの訓練を行なうほか、看護師 やソーシャル・ワーカーに術後のケアやカウンセリングの指導をし、フィスチュラ患 者が十分に回復できるよう体制の強化を図る。このキャンペーンは、試験的に2週間 行なわれるもので、UNFPAとナイジェリア政府、ナイジェリア赤十字、Virgin
Unite、Voluntary Service Overseas、医療従事者、そして現地のNGOなどとのパー トナーシップを通じて生まれたものだ。キャンペーンでは、フィスチュラの治療に当 たる医師、看護師、ソーシャル・ワーカーの訓練や患者が多いとされる北部の病院の 設備拡充を予定しているほか、地方におけるフィスチュラの認知度の向上を目指し、 フィスチュラは治療が可能な疾患であることを広く知らしめたいとしている。
ナイジェリアは世界で最もフィスチュラの発生率が高い国の一つとされていて、推計 では国内の患者数は約80万人、また毎年2万人が新たに罹患している。フィスチュラ は妊産婦死亡率の高い国でよく起こるとされていて、ナイジェリアでは妊娠・出産に よる合併症で死亡する生涯リスクが18分1で、ヨーロッパの2400分の1と比べると非常 に高い値になっている。フィスチュラは予防可能だが、閉塞分娩などが起こった際に 必要な緊急産科ケア(帝王切開など)が行なわれないことで、膣内が傷つき瘻孔と なって、慢性的な失禁症になってしまう。また、たいていの場合、胎児は死亡する。
適切な治療が行なわれないと、患者は臭いなどによって差別を受けたり、社会的に阻 害されてしまったりする。再建手術によって傷は完全に癒え、再び妊娠・出産も可能 となるが、患者の多くは、治療にかかる費用が支払えない、治療が存在することすら 知らないなどの理由で、治療を受けることができない。
トラヤ・オベイドUNFPA事務局長はキャンペーンの開始に際し、「われわれのキャン ペーンによって、ナイジェリアでフィスチュラに苦しむ何百人という女性が癒され、 希望を取り戻せるようになることを願っています。治療を待ち望んでいる女性は膨大 な数に上ります。われわれのキャンペーンはこうした女性の声に応える第一歩なので す」と述べた。また、今回のキャンペーンの重要なパートナーであるバージン・グ ループの会長、リチャード・ブランソン氏は、「フィスチュラは予防も治療も可能な のに、いまだに数多くの女性が苦しんでいます。フィスチュラはおおっぴらに話がで きるような病気ではありません。しかし、これを機会に対話を始めてみようではあり ませんか。そして、一致協力して、こうした女性の苦しみを終わらせようではありま せんか」と話している。カツィナ州のババル・ルガ病院で行われたキャンペーンの オープニングでは、ナイジェリアのアクパン(Ms. Rita Akpan)女性大臣が、「政 府、開発機関、宗教団体・指導者、NGOなどが一丸となって、フィスチュラ撲滅に向 け一層の努力をするよう訴えかけていきたいと思います」と開会の挨拶をおこなっ た。
「Fistula Fortnight」やUNFPAのフィスチュラ撲滅グローバル・キャンペーンについ
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